🦷 はじめに
その応急処置かえって歯をダメにしていませんか?
「詰め物(被せ物)が取れた!」
そんなとき、育児や仕事に追われる忙しい毎日の中で、すぐに歯医者に行くのが難しく、
ついこんなことをした経験はありませんか?
- 「とりあえずアロンアルファでつけ直した」
- 「市販の仮止めを塗って応急処置した」
- 「なんとなく捨ててしまった」
その気持ち、すごくわかります。
でも、それらはすべてNG行動です。
この記事では、実際に歯科医院で頻繁に目にする
「詰め物が取れたときにやってはいけない3つの行動」と、
歯を守る正しい対処法を、わかりやすくお伝えします。
❌やってはいけない応急処置①
アロンアルファでつけ直す
家庭にある瞬間接着剤、アロンアルファ。
「少しだけならいいかも」と思ってつけ直す方が意外と多いのですが、これは絶対にNGです。
▶ なぜダメなの?
アロンアルファの接着力は25〜48MPaと非常に強く、歯科用接着剤(仮止め用)のおよそ5倍以上の強さがあります。
つまり、一度つけてしまうと
歯科医院で外すのがとても困難になり、場合によっては歯を削らなければならないことも。
また、アロンアルファは熱(60℃以上)や衝撃に弱く、すぐに剥がれる性質があり、
口の中での使用は安全性が確認されていないため、健康上のリスクもあります。
❌やってはいけない応急処置②
市販の仮止めで自分でくっつける
ドラッグストアなどで「応急用の仮止めセメント」が販売されていますが、
これも基本的にはおすすめできません。
誤った位置で固めてしまうと、
ズレたまま固定されてしまい、再治療が困難になることがあります。
また、成分や硬化反応が強すぎると、歯ぐきに炎症を起こすこともあります。
仮止めには、プロが使用する適切な材料・手順・環境が必要です。
❌やってはいけない応急処置③
取れた詰め物を捨ててしまう
「どうせ作り直しになるでしょ?」
「小さくてなくしちゃったから…」と、詰め物を捨ててしまう方も実は多いのですが、これも非常にもったいない行為です。
▶ なぜ保管すべき?
- 詰め物の状態が良ければそのまま再接着できる可能性がある
- 新たに作るよりも治療費を抑えられる
- 材料(特にセラミックなど自費の詰め物)は高価で再製作に時間がかかる
たとえ取れた原因が虫歯だったとしても、詰め物の形が参考になることもあります。
清潔な容器や袋に入れて保管し、歯科医院に持参しましょう。
✅本当にすべき正しい対処法はこれ!
- 取れた詰め物は捨てずに保管する
- 絶対に自己判断で接着しない
- できるだけ早く歯科医院を受診する
たったこれだけで、余計な治療や再製作を避けられることがあります。
💡セラミックや自費治療の詰め物は特に注意が必要
セラミックなどの精密な詰め物は、再接着できるかどうかの判断も非常に繊細です。
「ちょっとだけ接着剤を…」という自己判断が、せっかくの高価な材料を使えなくする原因になることも。
セラミックの耐久性・再接着について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
▶ セラミック治療の接着方法について
⇒こちらをクリック
🙋♀️よくある質問(FAQ)
Q. アロンアルファで少しだけ固定するのもダメ?
A. 少しでもNGです。
接着力が強すぎて、歯や詰め物に深刻なダメージを与える可能性があります。
Q. 取れたけど痛くないからそのままでもいい?
A. 痛みがなくても放置は危険です。
⇒詳しくははこちら
詰め物の下で虫歯が進行していたり、歯が割れている可能性もあります。
Q. 市販の応急処置グッズは全部ダメ?
A. 一時的な保護材(軟らかいパテなど)であれば有効なケースもありますが、接着は絶対NGです。
判断に迷う場合は、歯科医に相談しましょう。
Q. セラミックの詰め物は再接着できる?
A. 状態や脱離の原因によりますが、可能な場合もあります。
ただし、接着剤の種類や歯の状態の評価が重要です。
✍️まとめ
「詰め物が取れた」というトラブルは、誰にでも起こりうるもの。
そのときに少しの判断ミスが、大きな治療負担や費用につながることもあります。
- 接着剤でくっつけない
- 自分で直そうとしない
- 捨てずに保管する
この3つを守るだけで、歯の健康と治療の選択肢を広げることができます。
少しでも不安があれば、早めに歯科医院を受診しましょう。
藤が丘スマイル歯科ご紹介
藤が丘スマイル歯科
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✍執筆者情報
金子賢哉(かねこ けんや)歯科医師
藤が丘スマイル歯科 院長
日本歯周病学会 会員
日本保存学会 会員
日本歯科大学 卒業
※本記事は歯科医師の監修のもと、最新の臨床研究と技術に基づいて執筆しています。