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治療した歯が「痛い」「しみる」…それ、放置すると危険かも?歯科医が教える原因と正しい対処法

虫歯を治療したのに歯が痛い、しみる…

それは神経や詰め物の不具合かも?

 

考えられる原因と正しい対処法を歯科医がわかりやすく解説します。

 

治療した歯が「痛い」「しみる」…その症状、放っておいて大丈夫?

「虫歯を治したのに、まだ冷たいものがしみる」

「噛むとズキッと痛い…」

「痛みなかったのに治療してから痛む」

 

そんなお悩み、実は多くの方が経験しています。

治療後の痛みやしみる症状には、一時的な神経の反応もあれば、再治療が必要なトラブルが隠れている場合もあります。

大切なのは、原因を正しく理解し、「経過をみるべきか」「すぐに介入すべきか」を見極めることです。

治療後の歯が痛む・しみる主な原因

① 歯の神経がまだ敏感な状態    (可逆性歯髄炎)

虫歯の治療では、虫歯が深いほど神経(歯髄)に近くまで削る必要があります。

このとき、切削刺激により歯髄が一時的に炎症を起こすことがあります。

これが可逆性歯髄炎です。

▶特徴
  • 冷たいものがしみる
  • 一瞬ズキッとするが、持続痛はない
  • 何もしなければ痛みは出ない
▶ポイント

可逆性歯髄炎は通常、数日〜2ヶ月以内に自然治癒することが多いです。症状が軽減していくなら経過観察で問題ありません。

 

👉 しかし、2ヶ月以上しみる・痛みが残る場合は、他の原因が疑われます。

② 詰め物・被せ物が合っていない  (接着不良・リーケージ)

虫歯が深いと、湿潤コントロールが難しくなり、接着操作に影響が出ることがあります。

これにより、詰め物や被せ物の接着が不完全=リーケージ(漏洩)となり、痛みや違和感の原因になります。

▶ 接着不良の見分け方

  • 噛んだときにピンポイントで痛む
  • 固いものなどで力をかけると痛みが出る

👉 修復物の再接着や再製作が必要なことも。

 

セラミック治療については

➡︎詳しくはこちら

痛みやしみないための治療については

➡︎詳しくはこちら

③ 噛み合わせのズレや力のかかりすぎ

高さが少しでも合っていないと、特定の歯に咬合圧が集中し、痛みにつながります。

  • 噛むと響くような痛み
  • 朝起きたときに歯が浮いた感じ
  • 無意識の食いしばりや歯ぎしりの影響も

調整によって症状が改善することも多いです。

④ 実は虫歯が深かった・神経が炎症を起こしている(不可逆性歯髄炎)

虫歯が歯髄近くまで進行していた場合、神経が回復できず不可逆的に炎症を起こすことがあります。

  • 温かいもので痛む
  • じっとしていてもズキズキする
  • 夜間痛が出る
  • 持続的な痛みがある

👉 この場合は、根管治療(歯の神経を取る治療)が必要です。

 

根管治療については

➡︎詳しくはこちら

⑤ 歯にヒビが入っていた・クラックトゥース症候群

目に見えない微細な歯のヒビが原因となって痛むケースもあります。

  • 特定の角度・場所でだけ痛みが出る
  • レントゲンでは異常が見えないことが多い
  • 原因不明の痛みのときに疑われる

実は「保険の詰め物」が原因になることも?

治療後の痛みやしみる感覚の中には、「使用した材料の特性」が影響しているケースもあります。

特に保険適用のコンポジットレジン(CR)や金属(メタルインレー)には、接着の難しさ・適合精度の限界が存在します。

① 保険のコンポジットレジン(CR)の問題点

保険適用のCR(コンポジットレジン)は手軽で経済的ですが、以下のような制約があります。

  • 接着操作が複雑で湿気に弱い
    → 保険内の場合にラバーダムなどの防湿をしないことが多く、適切な接着が困難
  • 咬合力による破折・脱離のリスク
    → 噛む力が強い部位では、マージンからのリーケージ(隙間からの細菌侵入)が起こりやすくなります

🦷 その結果、神経への刺激や接着不良による痛みが出やすくなる可能性があります。

② 金属のメタルインレーの限界

保険のメタルインレーは広く使われていますが、適合精度や接着の面で課題があります。

  • 金属と歯質は接着ではなく“合着”が基本
    → セメントに頼る固定で、マイクロギャップ(微細な隙間)が生じやすい
  • 温度変化による膨張収縮率の違い
    → 冷たい・熱い刺激により、歯と金属の間に微小な動きが生じて痛みの原因になることも

👉 つまり、適合性・接着性・生体親和性の点で、歯にとってはストレスがかかりやすい材料とも言えます。

🧪 補足:エビデンスに基づく見解(科学的根拠)

  • コンポジットレジンの接着には適切な湿潤環境管理が不可欠であり、防湿不良による接着強度低下は明らかにされている([Van Meerbeek et al., J Dent Res 2003])
  • 金属修復物では、マージン適合の不良が二次う蝕・歯髄炎のリスクを高めることが複数の研究で示唆されている([Mjör et al., Oper Dent 2000])

⚠️しかし、セラミックを入れたらOK!というわけではなくて、どんなに良い素材でも、接着操作が不適切では本来の効果は発揮されません。精度と強度を活かすには、確実な接着と防湿が不可欠です

いつまで痛いのが普通?受診の目安とは

治療直後の痛み・しみは、数日〜2ヶ月以内なら経過観察可能なケースもあります。

しかし、以下のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 痛みが2ヶ月以上続いている
  • 痛みが強くなっている、夜間痛がある
  • 噛むとズキッと痛む
  • 温かいものでしみる
  • 痛みがあると5-10分と持続した痛みがある

しみる・痛い時の応急処置やNG行動

冷たい・熱いものは控える

刺激を減らして歯髄の回復を促しましょう。

歯をギュッと噛まないように意識

食いしばりや就寝時の力が悪化要因になることがあります。

市販薬で一時的に対応も可(ただし注意点あり)

鎮痛薬は対症療法。原因解決にはならないため、根本的な処置が必要な場合は受診を。

治療した歯が痛い・しみる時に      「してはいけない」3つのこと

1. 自分で削ったり、何か処置をしないこと

症状が悪化する恐れがあるため、絶対NGです。

2. そのまま放置する

歯の問題は自然治癒が難しいため、時間が経つほど悪化するリスクがあります。

3. 関係ない歯を疑う

痛みの場所と原因が一致しないことも。正確な診断には歯科医院の検査が不可欠です。

不安な時はすぐ歯科医に相談を

「一時的なものかもしれない」「もう少し様子を見よう」

そう思っている間に、症状が悪化してしまうこともあります。

症状がある=歯が出しているサインです。

少しでも不安を感じたら、早めに歯科医院へご相談ください。

まとめ|治療後の「痛み・しみ」は早めの受診がカギ!

  • 可逆性歯髄炎であれば、最大2ヶ月以内で自然治癒することもあります
  • しかし、2ヶ月以上続く場合は、不可逆性炎症や接着不良、咬合不調和、歯のヒビなど別の原因が疑われます
  • 痛みの種類や持続時間を観察し、症状に応じて経過観察か介入かを判断することが大切です

治療後の痛みやしみる症状は、決して「よくあること」と片づけてはいけません。

「なんとなくおかしいな」と思ったら、それが早期対応のチャンスです。

歯を守るためにも、迷ったらすぐ相談を。

❓よくある質問(FAQ)

Q. 治療した歯がしみるのはよくあること?

A. 軽度であれば一時的な可逆性歯髄炎の可能性がありますが、2ヶ月以上続く場合は受診を。

Q. 噛んだときだけ痛いのはなぜ?

A. 噛み合わせのズレや、接着不良による痛みが考えられます。咬合調整で改善することもあります。

Q. 接着不良の見分け方は?

A. 固いものなどを噛んだときに痛みが再現される場合、接着不良の可能性があります。

Q. 痛みがあるけど市販薬で我慢していい?

A. 一時しのぎにはなりますが、根本原因の治療が遅れると症状が悪化する可能性があります。

✨最後に

当院では、治療後の痛みやしみる症状についても丁寧に診察・ご説明いたします。

「これは自然な反応?」「再治療が必要?」といったお悩みも、お気軽にご相談ください。

 

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✍執筆者情報

金子賢哉(かねこ けんや)歯科医師

藤が丘スマイル歯科 院長

日本歯周病学会 会員

日本保存学会 会員

日本歯科大学 卒業
※本記事は歯科医師の監修のもと、最新の臨床研究と技術に基づいて執筆しています。

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