「子供がいつも口を開けている」
「口呼吸って歯並びに影響するの?」
このように感じたことがある保護者の方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、子供の口呼吸は歯並びや健康に影響する可能性があるため注意が必要です。
この記事では歯科医の立場から
・口呼吸による影響
・なぜ口呼吸になるのか
・改善方法
についてわかりやすく解説します。
子供の口呼吸とは?
口呼吸とは、鼻ではなく口で呼吸する状態のことを指します。

本来は鼻で呼吸するのが自然ですが、子供の中には無意識に口呼吸になっているケースがあります。
例えば
- 口がポカンと開いている
- 寝ているときに口が開いている
- よく口で息をしている
このような場合は口呼吸の可能性があります。
子供の口呼吸によって起こる5つの問題
口呼吸は見た目だけでなく、体全体に影響することがあります。
① 歯並びや顔つきの変化(アデノイド顔貌)
口呼吸が続くと、顔や歯並びに影響が出ることがあります。
例えば
- 出っ歯(上顎前突)
- 口が開いたままになる(お口ポカン)
- 唇が厚くだらしなくめくれて開いている
- 顎が後ろに下がる
- 顔が縦に長くなる
- 目の下にクマができる
このような特徴は、アデノイド顔貌と呼ばれることがあります。
② 虫歯や歯肉炎のリスクが上がる
口呼吸になると口の中が乾燥しやすくなります。
唾液には虫歯菌を抑える働きがありますが、乾燥するとその効果が弱くなります。
その結果、虫歯や歯肉炎になりやすくなる可能性があります。
※虫歯予防については
「子供のフッ素はいつから?」の記事でも解説しています。
記事はこちらです。
③ アレルギーや体調不良につながる可能性
本来、鼻呼吸では空気中の細菌やウイルスをある程度防ぐ働きがあります。
しかし口呼吸ではその機能が弱くなるため
- 風邪をひきやすい
- アレルギー症状
などにつながる可能性があります。
④ いびき・睡眠の質の低下
口呼吸は
- いびき
- 睡眠の質の低下
に関係することがあります。
睡眠の質が低下すると
- 夜泣き
- 睡眠障害
- 成長ホルモンの分泌低下による低身長
- 血中酸素濃度の低下による脳への影響
などにつながる可能性があります。
また
- 落ち着きがない
- 集中できない
- 注意力が続かない
- 衝動的な行動が増える
といった、集中力や行動面への影響が見られることもあります。
⑤ 顔や体の成長への影響
口呼吸が続くと
- 顎の成長バランス
- 顔の発育
に影響する可能性があります。
特に成長期の子供では、早めの対応が重要です。
口呼吸で特に大切なのは「舌の位置」
実は、口呼吸と大きく関係しているのが舌の位置。
本来、舌は上あご(口蓋)についているのが正しい位置です。

しかし口呼吸の子供は
👉 舌が下がっている(低位舌)
ことが多く
- 歯並びの乱れ
- 顎の発達不足
- 気道の狭さ
につながることがあります。
そのため、口呼吸の改善では
舌の位置を整えることがとても重要です。
なぜ子供は口呼吸になる?
口呼吸にはいくつかの原因があります。
- 鼻づまり(アレルギーなど)
- 口周りの筋肉の弱さ
- 舌の位置の問題
- 指しゃぶりなどの癖
これらが重なることで、口呼吸になることがあります。
子供の口呼吸を改善する方法
日常生活でできる対策もあります。
① 口を閉じる習慣をつける
「お口閉じようね」と声かけするだけでも意識づけになります。
② 姿勢を整える
猫背など姿勢が悪いと口呼吸になりやすいことがあります。
③ よく噛んで食べる
噛む回数が少ないと顎の発達に影響することがあります。
④ 歯医者でのチェック
歯科医院では
- 歯並び
- 舌の位置
- 口呼吸
- 顎の成長
などを総合的に確認します。
歯医者ではどんな治療をする?
必要に応じて
- 口周りのトレーニング(MFT)
- 歯並びの治療
- 耳鼻科との連携
などを行うことがあります。
よくある質問(FAQ)
Q. 子供の口呼吸は自然に治る?
A. 成長とともに改善することもありますが、習慣化すると続くこともあります。
Q. 口呼吸は歯並びに影響する?
A. 影響する可能性があり、特に顎の成長や歯並びに関係します。
Q. いつ歯医者に相談すればいい?
A. 口が開いている状態が続く場合は、早めに相談することをおすすめします。
まとめ
子供の口呼吸は
- 歯並び
- 虫歯
- 全身の健康
に影響する可能性があります。
特に舌の位置(低位舌)は大きく関係しており、早めのチェックが重要です。
日常生活での意識とともに、必要に応じて歯科医院で確認していきましょう。
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✍執筆者情報
金子賢哉(かねこ けんや)歯科医師
藤が丘スマイル歯科 院長
日本歯周病学会 会員
日本接着歯学会 会員
日本小児口腔発達学会 会員
日本口育協会 口育士資格
日本歯科大学 卒業
※本記事は歯科医師である筆者の臨床経験および文献に基づき作成しています。