メインビジュアル|診療室の様子

銀歯とセラミックどっちがいい?|何度も治療したくない方へ歯科医師が解説

何度も治療したくない方へ。

歯を長持ちさせるために大切な「接着・ラバーダム・IDS」の話|青葉区・藤が丘の歯医者

「銀歯にするか、セラミックにするか迷っている」
「セラミックは高いけど、本当に長持ちするの」
「虫歯になって、何度も治療するのは避けたい」

このように悩まれる方は多くいらっしゃいます。

 

結論からお伝えすると、銀歯とセラミックは単純に「どちらが絶対に良い」と言い切れるものではありません。

大切なのは、何を入れるかではなく、どのように治療するか!

です。

特に、歯を長持ちさせるためには、

  • 虫歯を取り残さない診断
  • 歯を削りすぎない設計
  • 接着を安定させるラバーダム防湿
  • 象牙質を守るIDS
  • セラミックや歯の表面処理
  • 噛み合わせの調整
  • 治療後のメンテナンス

が重要です。

この記事では、銀歯とセラミックで迷っている方、何度も治療したくない方に向けて、歯科医師がわかりやすく、かつ専門的に解説します。

目次

  1. 銀歯とセラミック、どちらを選ぶべき?
  2. 銀歯の下で虫歯が再発する理由
  3. セラミック治療で大切なのは「材料」より「接着」
  4. ラバーダム・IDSが重要な理由
  5. 銀歯・CAD/CAM・CR・セラミック・ジルコニアの違い
  6. 当院が大切にしているセラミック治療の流れ
  7. よくある質問
  8. 症例紹介
  9. まとめ

1. 銀歯とセラミック、どちらを選ぶべき?

銀歯とセラミックで迷ったとき、多くの方はまず費用や見た目で考えます。

もちろん、費用や見た目も大切です。

しかし、歯科医師として本当に大切だと考えているのは、

  • その治療が長持ちするか
  • 虫歯を繰り返しにくいか
  • 歯をできるだけ残せるか

という視点です。

銀歯には、保険適用で費用を抑えられ、金属としての強度が高いというメリットがあります。

一方で、金属色が目立つこと、歯との境目に段差や劣化が生じること、セメントの劣化により内部で虫歯が再発することがあります。

セラミックには、見た目が自然で、汚れが付きにくく、精密に作りやすいというメリットがあります。

ただし、セラミックを入れれば絶対に虫歯にならないわけではありません。

セラミック自体は虫歯になりませんが、残っている歯は虫歯になります。

つまり重要なのは、セラミックを入れることではなく、
再発しにくい環境で                精密に治療することです。

2. 銀歯の下で虫歯が再発する理由

歯科診療では、古い銀歯を外したときに、中が黒くなっていたり、虫歯が進行していたりするケースをよく認めます。

患者さんからすると、

「治療したはずなのに、なぜ虫歯になるの?」

と思われるかもしれません。

このような、一度治療した歯に再び虫歯ができる状態を、歯科では二次カリエスと呼びます。

銀歯の下で虫歯が再発する主な理由は、歯と銀歯の境目にあります。

銀歯は長期間使用すると、

  • セメントの劣化
  • 境目の摩耗
  • わずかな隙間
  • 清掃不良
  • 噛み合わせによる負担

などにより、細菌や唾液が入り込みやすくなることがあります。

このような、目に見えないレベルの隙間から細菌や唾液が入り込む現象を、マイクロリーケージといいます。

マイクロリーケージがあると、外からは問題なさそうに見えても、内部で虫歯が進行することがあります。

また、銀歯の中で虫歯になってても痛みがないこともよくあります。

*黒く見えるものがすべて虫歯とは限りません。金属による着色や古いセメントの変色の場合もあります。

 

そのため、レントゲン、視診、症状、境目の状態を総合的に判断することが大切です。

3. セラミック治療で大切なのは「材料」より「接着」

セラミック治療を考えるとき、多くの方は、

「どのセラミックが良いか」
「ジルコニアが良いか」
「高い材料なら長持ちするのか」

と考えます。

もちろん材料選びは大切です。

しかし、セラミック治療の寿命を大きく左右するのは、材料そのものだけではありません。

本当に重要なのは、接着の質

セラミック治療は、歯とセラミックをセメントなどで接着します。

この接着が不十分だと、

  • セラミックが外れる
  • 境目から虫歯が再発する
  • セメントが劣化する
  • しみる症状が出る
  • 欠ける、割れるリスクが上がる

といったトラブルにつながることがあります。

逆に、接着環境を整え、適切な手順で処置を行うことで、セラミック治療は長期的に安定しやすくなります。

つまり、セラミック治療は、

セラミックを入れる治療
ではなく、
歯とセラミックを                                精密に接着させる治療

と考えることが大切です。

4. ラバーダム・IDSが重要な理由

セラミック治療を長持ちさせるために重要なのが、

  • ラバーダム防湿
  • IDS(即時象牙質封鎖)

です。

どちらも患者さんからは見えにくい工程ですが、治療後の長期的な安定性に大きく関わります。

ラバーダム防湿とは?

ラバーダムとは、治療する歯だけをゴムのシートで隔離する方法です。

接着治療では、唾液・血液・湿気が大敵です。

接着操作中に唾液や湿気が入ると、接着力が低下することがあります。

ラバーダムを使用することで、

  • 唾液の侵入を防ぎやすい
  • 治療部位を清潔に保ちやすい
  • 接着操作を安定させやすい
  • 細菌汚染を減らしやすい
  • 器具や薬液の誤飲リスクを下げやすい

というメリットがあります。

つまり、ラバーダムは「丁寧そうに見えるから使う」のではなく、接着を安定させるための重要な工程です。

IDSとは?

IDSとは、Immediate Dentin Sealingの略で、日本語では即時象牙質封鎖といいます。

歯を削ったとき、象牙質という層が露出することがあります。

象牙質には、象牙細管と呼ばれる細い管があり、その先は歯の神経に近い部分につながっています。

この象牙質をそのまま仮封期間にさらすと、

  • 唾液や細菌による汚染
  • 知覚過敏
  • 接着力の低下
  • 神経への刺激

が起こりやすくなります。

IDSは、歯を削った直後に象牙質をボンディング材で封鎖する処置です。

これにより、

  • 象牙質の汚染を防ぎやすい
  • 知覚過敏を軽減しやすい
  • 接着の安定性を高めやすい
  • 最終的なセラミックの接着を有利にしやすい

と考えられています。

つまりIDSは、患者さんからは見えにくい処置ですが、セラミック治療を長持ちさせるための重要なステップです。

これらは患者さんから見ると細かい作業ですが、接着の質を左右します。

セラミック治療は、単に「型を取って詰める」治療ではありません。

この一つひとつの工程をどれだけ時間をかけて丁寧に行うかが、治療の長持ちに関わります。

セラミック治療を長持ちさせるためには、材料だけでなく「接着環境」が非常に重要です。

 

当院では、セラミック治療の接着時に、可能な限りラバーダム防湿を行い、IDS(即時象牙質封鎖)も取り入れています。

ラバーダムやIDSについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

セラミック治療を失敗しない選び方|ラバーダム・IDSの重要性
【歯科で話題】IDSとは?接着力が落ちない理由と間接修復の新常識

 

5. 銀歯・CAD/CAM・CR・セラミック・ジルコニアの違い

銀歯とセラミック以外にも、白い詰め物や被せ物にはいくつか種類があります。

代表的なものを比較します。

治療法 メリット 注意点 向いているケース
銀歯 保険適用、強度がある 見た目、金属色、境目の劣化、二次虫歯リスク 費用を抑えたいケース
コンポジットレジン 削る量が少ない、即日治療が可能 大きい虫歯では強度不足、摩耗、変色 小さい虫歯
CAD/CAM冠 保険で白くできる場合がある 強度、適応部位、接着条件にかなり制限 費用を抑えながら白い歯を希望するケース
セラミック 審美性、精密性、汚れの付きにくさ、接着性 費用、設計や接着が重要 見た目と長期安定性を重視するケース
ジルコニア 強度が高く奥歯に使いやすい 色調、咬合管理、設計が重要 噛む力が強い方、奥歯

 

小さい虫歯であれば、コンポジットレジンが適している場合もあります。

大きな虫歯や奥歯で噛む力が強い場合は、セラミックやジルコニアが適していることもあります。

保険のCAD/CAM冠も選択肢になりますが、適応や強度、接着条件には注意が必要です。

つまり、

白いから良い
高いから良い
硬いから良い

ではなく、その歯に合った材料と治療設計を選ぶことが大切です。

6. 当院が大切にしているセラミック治療の流れ

藤が丘スマイル歯科では、セラミック治療を「ただ白くする治療」とは考えていません。

大切にしているのは、再発しにくく、歯を長持ちさせる治療です。

一般的な流れは以下の通りです。

1. 診査・診断

虫歯の大きさ、神経との距離、噛み合わせ、歯周病の状態を確認します。

レントゲンなどでも確認し、セラミック治療が適しているか判断します。

2. 虫歯の除去・歯の形成

虫歯を丁寧に除去し、セラミックが適合しやすい形に整えます。

このとき大切なのは、当たり前なことですが、虫歯を取り残さないことと、健康な歯を削りすぎないことです。

3. IDS

象牙質が露出した場合は、IDSを行います。

象牙質を早期に封鎖することで、汚染や知覚過敏を抑え、接着しやすい状態を作ります。

4. 型取り・仮歯

圧排糸の使用や口腔スキャナーでの型取りなど

精密にセラミックを作製します。

仮歯や仮封中も、歯が汚染されにくいように管理します。

5. セラミックの試適

完成したセラミックの色、形、適合、噛み合わせを確認します。

6. ラバーダム防湿

本接着時には、可能な限りラバーダムで防湿を行います。

唾液や湿気の影響を抑え、接着操作を安定させます。

7. 前処理・接着

歯とセラミックそれぞれに適切な前処理を行い、レジンで接着します。

この工程が、セラミック治療の長期安定性に大きく関わります。

8. 噛み合わせ調整・メンテナンス

最後に噛み合わせを確認し、必要に応じて調整します。

治療後も、定期検診で状態を確認することが大切です。

7. よくある質問

Q1. 銀歯とセラミックはどちらが長持ちしますか?

A. 症例によります。

ただし、セラミックは適切に接着・設計されれば、長期的な安定が期待できる治療です。

一方で、どんな材料でも、虫歯リスクや噛み合わせ、メンテナンス状態によって寿命は変わります。

Q2. セラミックなら虫歯になりませんか?

A. セラミック自体は虫歯になりません。

しかし、残っている歯は虫歯になります。

そのため、接着、防湿、清掃性、メンテナンスが重要です。

Q3. 銀歯を外したら必ず虫歯ですか?

A. 必ずではありません。

金属による着色や古いセメントの変色の場合もあります。

ただし、古い銀歯では内部で虫歯が進行しているケースもあります。

Q4. IDSは必ず必要ですか?

A. すべての症例で必ず必要とは限りません。

象牙質の露出量、修復物の種類、接着方法によって判断します。

ただし、間接修復で象牙質が露出している場合には、接着を安定させるうえで有効な選択肢です。

Q5. ラバーダムは必ずできますか?

A. 部位や歯の状態によっては難しい場合もあります。

虫歯が歯ぐきの深い位置まで進んでいる場合や、歯の形態によっては装着が難しいことがあります。

その場合でも、可能な範囲で防湿を工夫し、接着環境を整えることが重要です。

Q6. セラミックは割れますか?

A. 割れる可能性はあります。

ただし、材料選択、厚み、設計、噛み合わせ調整、メンテナンスによってリスクを下げることができます。

奥歯や噛む力が強い方では、ジルコニアが選択肢になることがあります。

8. 症例紹介

症例1

治療前

治療後

主訴 銀歯を白くしたい
治療期間 2〜3週間
治療費 ¥264,000(税込)

※治療費は本数・範囲・使用材料により異なります。

治療内容 銀歯を外し、セラミックの詰め物を入れました。
治療のリスク 個人差により、欠けたりする可能性があります。

症例2

治療前

治療後

主訴 銀歯を白くしたい
治療期間 2〜3週間
治療費 ¥66,000(税込)
治療内容 銀歯を外し、セラミックの詰め物を入れました。
治療のリスク 個人差により、欠けたりする可能性があります。

症例3

治療前

 

治療後

治療の経緯

患者様は「銀歯を白くしたい」というご希望で来院されました。診査の結果、該当部位には銀歯が装着されており、審美性に課題がある状態でした。そこで、まず既存の銀歯を除去し、歯質への負担を抑えながら接着力を重視したセラミック修復による治療を行いました。見た目の自然さだけでなく、適合性や再発リスクにも配慮した治療計画としています。

同じ症状で悩んでいる方への
メッセージ

銀歯の見た目が気になる方は少なくありません。現在では、自然な白さを再現できるセラミック治療により、見た目の改善だけでなく、虫歯の再発リスクを抑えることも可能です。審美性と機能性の両立を大切にした治療をご提案しておりますので、お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。

主訴 何度も治療をしたくない
治療期間 2回
治療費 ¥66,000(税込)
治療内容 見た目がいいセラミック素材の詰め物で修復しました。
治療のリスク 強い力がかかると割れる可能性があります。

9. まとめ

銀歯とセラミックで迷ったとき、重要なのは、

どちらが良いか
だけではありません。

本当に大切なのは、

何度も治療しないために、どう治療するか

です。

銀歯には保険適用で費用を抑えられるメリットがあります。

セラミックには、見た目の自然さ、汚れの付きにくさ、精密性、接着との相性というメリットがあります。

しかし、セラミックを入れれば絶対に虫歯にならないわけではありません。

治療を長持ちさせるためには、

  • 正確な診断
  • 虫歯の除去
  • 歯を削りすぎない設計
  • ラバーダム防湿
  • IDS
  • 適切な前処理
  • 接着操作
  • 噛み合わせ調整
  • 定期メンテナンス

が重要です。

藤が丘スマイル歯科では、ただ白くするためのセラミック治療ではなく、再発しにくく、歯を長持ちさせる治療を大切にしています。

「銀歯を入れるか迷っている」
「セラミックにするか悩んでいる」
「何度も同じ歯を治療したくない」
「歯をできるだけ長く残したい」

という方は、ぜひ一度ご相談ください。

藤が丘スマイル歯科ご紹介

藤が丘スマイル歯科

横浜市青葉区藤が丘2丁目4-7 M’s building3階

田園都市線「藤が丘駅」から徒歩1分

当院では、患者様の大切な歯をできるだけ残すことを目指し、最新機器と丁寧なカウンセリングで安心して通える歯科医療を提供しています。

⇨ご予約はこちらから

LINEでもお気軽にご相談お待ちしております!

こちらをクリック!!

 

✍執筆者情報

金子賢哉(かねこ けんや)歯科医師

藤が丘スマイル歯科 院長

日本歯周病学会 会員

日本接着歯学会 会員

日本小児口腔発達学会 会員

日本口育協会 口育士資格

日本歯科大学 卒業

※本記事は歯科医師である筆者の臨床経験および文献に基づき作成しています。

 

*参考文献

  1. Kidd EA. Secondary caries. Int Dent J. 1992 Jun;42(3):127-38.
    PMID: 1500208
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1500208/
  2. Jokstad A. Secondary caries and microleakage. Dent Mater. 2016 Jan;32(1):11-25.
    PMID: 26423008
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26423008/
  3. Nakabayashi N, Nakamura M, Yasuda N. Hybrid layer as a dentin-bonding mechanism. J Esthet Dent. 1991 Jul-Aug;3(4):133-8.
    PMID: 1817582
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1817582/
  4. Sattabanasuk V, Shimada Y, Tagami J. Effects of saliva contamination on dentin bond strength using all-in-one adhesives. J Adhes Dent. 2006 Oct;8(5):311-8.
    PMID: 17080879
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17080879/
  5. Magne P, Kim TH, Cascione D, Donovan TE. Immediate dentin sealing improves bond strength of indirect restorations. J Prosthet Dent. 2005 Dec;94(6):511-9.
    PMID: 16316797
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16316797/
  6. Magne P, So WS, Cascione D. Immediate dentin sealing supports delayed restoration placement. J Prosthet Dent. 2007 Sep;98(3):166-74.
    PMID: 17854617
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17854617/
  7. Morimoto S, Rebello de Sampaio FBW, Braga MM, Sesma N, Özcan M. Survival Rate of Resin and Ceramic Inlays, Onlays, and Overlays: A Systematic Review and Meta-analysis. J Dent Res. 2016 Aug;95(9):985-94.
    PMID: 27287305
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27287305/
  8. Samartzi TK, Papalexopoulos D, Sarafianou A, Kourtis S. Immediate Dentin Sealing: A Literature Review. Clin Cosmet Investig Dent. 2021;13:233-256.
    PMCID: PMC8232880
    https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8232880/

 

 

藤が丘駅から徒歩1分の歯医者|藤が丘スマイル歯科

日付:   カテゴリ:ブログ