【抜歯後すぐ骨を守る】
ソケットプリザベーションとは?骨吸収予防・流れ・メリット詳解|青葉区 藤が丘スマイル歯科
歯科医師が専門的に徹底解説!!
1.ソケットプリザベーションとは…
骨の吸収を防止するために、抜歯をしたその時に、 抜歯窩に人工骨や骨補填材などを抜歯窩に入れて、骨の吸収を抑え凹みを予防する治療法のことを言います。
“抜歯窩温存療法“とも言います。
歯周病やむし歯などで抜歯をすると、元々病状の悪化で減っていた歯を支えていた骨が抜歯後さらに減少していきます。放置するとその後の治療に様々な悪影響が出てしまいます。
悪影響がでないように、骨がなくなるのを防ぐために行う治療が、ソケットプリザベーションになります。
もう少し解説します。
抜歯をすると、歯があった場所に「穴」があいてしまいます。
抜歯をした周りの骨は、傷口が治るにつれてその周囲の骨が吸収してしまい、痩せて薄くなってしまいます。肉眼で見るとそこだけ凹んだ状態になってしまいます。
抜歯後、何もしないまま放置すると平均して水平的に3~4mm、垂直的に1~2mmの骨吸収が起こると報告されています。特に前歯部では審美的な問題が生じやすく、骨を温存する処置が重要です。
📚 参考文献
Wong, R.L. et al. (2012). “Dimensional changes in alveolar ridge post-extraction in humans: a systematic review.” Clin Oral Implants Res. 23 Suppl 5:1-21.
2.骨がない場所への各補綴のデメリット
インプラントの場合
インプラントを埋入したいところに十分に骨がないと、インプラントは埋入することはできません。
また、インプラント埋入後もどうしても骨は、吸収してしまうため、骨を足して、十分な骨を獲得し、凹みを防がなければなりません。
ブリッジの場合
骨が少なく凹んだ部分が大きいと、ポンティック(ダミーの歯)を大きくしないといけません。
ポンティックが大きくなると、被せ物と歯肉の境目のラインが他の歯と合わなくなり、見た目が悪くなります。
骨がなくなってからの治療は、大規模な硬造成が必要になったりするため、患者さんへの肉体的・精神的な負担が増すことになります。
また、術者側の難易度が何十倍も高くなり、リスクや成功率も変わってきます。
骨量を十分に確保するためには…
骨が痩せて薄くなる前に処置しておく方が負担は少なくてすみます。
当医院では、骨がなくなるのを防ぐために抜いた日にすぐその抜歯窩に骨補填剤を入れるソケットプリザベーションが可能です。
3.ソケットプリザベーションの術式
①抜歯
②抜歯窩の清掃(肉芽除去)
③抜歯窩に人工骨や骨補填剤を挿入
④経過観察
骨が出来てくるまで上顎4-6ヶ月、下顎3-6ヶ月待ちます。
経過観察後、十分に骨が出来ているかレントゲンやCTで確認してから、インプラントの埋入手術やブリッジの型どりを行っていきます。
*骨補填剤で顆粒状のものは血液の供給がしやすく、その結果骨も作り易くなるという特徴もあります。
4.症例
5.よくある質問(FAQ)
Q1. ソケットプリザベーションは保険適用ですか?
A. 基本的に自由診療です。保険診療では骨補填剤の使用や手術材料の制限があるため、質の高い骨造成には自由診療での対応が一般的です。
Q2. 痛みや腫れはありますか?
A. 抜歯と同時に行うため、術後の痛みや腫れは通常の抜歯と同程度です。鎮痛剤でコントロールできるケースが多く、大きな腫れはほとんどありません。
Q3. 治療後、どのくらいでインプラントができますか?
A. 上顎で4〜6ヶ月、下顎で3〜6ヶ月程度が目安です。骨の成熟状態はCTで確認してから次の治療へ進みます。
Q4. 骨補填剤はどんなものを使いますか?
A. 主に人工骨(HAやβ-TCP)やウシ由来骨など、安全性が確認された材料を使用します。症例に応じて適切な材料を選定します。
Q5. ソケットプリザベーションをしないとどうなりますか?
A. 骨が自然に吸収されてしまい、見た目の凹みやインプラント治療の難易度が大幅に上がる可能性があります。将来の治療の選択肢を広げるためにも、早期の処置が望まれます。
6.まとめ
当医院では、治療の質だけではなく、分かりやすい説明をし、患者さんのご理解をいただいくことも大切にしています。
インプラント治療をお考えの方や、他院で抜歯診断を受けた方は、まず当院へご相談にいらしてください。
いつも最後まで見ていただきありがとうございます!
藤が丘スマイル歯科ご紹介
藤が丘スマイル歯科
横浜市青葉区藤が丘2丁目4-7 M’s building3階
田園都市線「藤が丘駅」から徒歩1分
当院では、患者様の大切な歯をできるだけ残すことを目指し、最新機器と丁寧なカウンセリングで安心して通える歯科医療を提供しています。
ご予約はこちらから
LINEでもお気軽にご相談お待ちしております!
⇒こちらをクリック!!
✍執筆者情報
金子賢哉(かねこ けんや)歯科医師
藤が丘スマイル歯科 院長
日本歯周病学会 会員
日本保存学会 会員
日本歯科大学 卒業
※本記事は歯科医師の監修のもと、最新の臨床研究と技術に基づいて執筆しています。